ここまでの要約。朝9時に京都を出発、須磨海釣り公園で4時間ぐらい釣ったが4人で釣果はカサゴ2匹。
このところボウズ続きだったので、2匹といえどもお葬式ムードではない。カサゴは家庭のあるメンバーに持って帰ってもらい、貴重な休日に旦那をお借りしたお詫びとすることで問題なく合意がなされた。
帰り道は渋滞していて車はなかなか進まない。高速に乗るべきか、乗らざるべきか、大阪の同僚を下すのはどこがいいか、そんな相談のさなか、どうあがいても悪ノリ、しかし打算的で強い意志をもって、「南芦屋でもう一釣りしないか」という提案がなされた。
- どうせ渋滞で進まない。
- 大阪の同僚もここから電車で帰ったほうが早い。
- 次の釣りは1か月後、待てない。
- このままでは帰れない。
等々、いくつか合理的な理由を織り交ぜ、しかし実際のところただの釣り中毒でしかない主張がなされた。世の中の合理的な主張というのは、たいていとにかくどうしてもアレがしたい!ということに対する後付けの説明なんだなと思う。
それに対して、「やるなら朝までやる。中途半端は許されない」という反論がなされて、車内は不穏な空気、ぼくは「もうだめだこいつら、でも10時ぐらいまで釣りに行くのはアグリーです」みたいな気分になる。
渋滞で進まない中、不毛な争いがなされて、「とりあえず一回めし食いませんか!!どうせ渋滞だし、食いながら考えよう!」という言葉が飛んで、なぜだかぼくは「ちょっとホテルで休憩していこう!!何もしないから!!」という言葉はこういう感じで出てくるのかなとぼんやり考えた。
そんなやり取りを経て、「じゃあもうわかった、10時まで釣ろう」ということになった。朝までという主張が取り下げられたので、どちらが折れたのか、どちらがまともだったのかわからない。
大阪に帰る同僚をおろし、コンビニでカップヌードルを買って食べた。ミルクシーフードうまい。
釣具店によって、仕掛けとサーチライトを買った。500円で買ったわりに何の不満もなくて最高。
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で、前回はった写真のようになった。
帽子の下につけているとより装着感がなくて、なんだか頭部から光を発する生物としての新たな能力を獲得したような気分になってくる。足元でものを探すときには、首を振りながら探すようになっておもしろい。
夜は浮き釣り、夜のメバルは水面近くで活動してエサを探すとたしかに本に書いてあった。
粛々と続けたが、アタリは感じ取れない。エサのアオイソメは時々食われていたので、ウキのサイズが大きすぎたようだった。
途中、ポイントを探して一人でうろついていたところ、水辺の傾斜で根掛してしまった。竿を振ってもなかなか取れず、しかたないので近づいて外すことにした。足元は濡れて滑っていて、踏み外すと落ちてもおかしくなかった。浅いので落ちても問題ないだろうが、冬の服装では不安。後で思うと怖いシーンだった。
同僚は2匹メバルを釣っていたが、僕のほうはダメで、エサを使い切ってしまった。そろそろ終わりかなーと思っていたころ、一人チヌを狙ってコマセを撒き続けていた同僚が暗い中走ってきた。コマセを使い切ってあきらめたのだろうか。
車中でもずっとチヌチヌ言っていたが、これまで釣れた実績はない。今日もつれなかったら、モチベーションが下がってしまうのではないかと心配していた。仲間が減るのは困る。
だが、思わぬ発言。「チヌ釣れた!!」
少し離れて釣っていた同僚にぼくも叫ぶ。「チヌ釣れたって!!」
慌てて戻る同僚を追いかけてぼくも走った。4メートルの釣竿をもって。危険だけど、もはや周囲にはだれもいなくなっていたのであまり気にしなかった。
僕が参加して以来、初めて釣れた大物だった。感動。
針はだいぶ深く飲み込んでいて抜けなかったので、糸を切った。この日のために予習してきた同僚が、苦労しながらその場で絞めて血抜きをした。
時間はすでに11時をとっくに回っていて、全員がエサも使い切っていたので、その日はそれまでということになった。
結局僕は夜は釣れなかったのだけど、同僚が念願のチヌを釣ったことに満足感は大きかった。
次はぼくも大物を狙いたい。
片づけを済ませると12時前後。チヌが釣れてしまったのでこれはこのまま食うしかない。うちでさばいて刺身にして食うことが決まった。
夜の高速道路はすいていて気分がよく、チヌを釣り上げたドライバーの同僚は、疲れているだろうがアドレナリンで眠気が吹き飛んでいた。
京都に帰り着いたころにはすでに空いているスーパーはなく買い出しはコンビニで。
帰り着いてまな板に乗った様子。
骨は太く、三枚におろすのには大変な苦労があった。包丁で足らず、はさみで切り落とすシーンも多かった。
内臓をみると、切った針が胃袋に引っかかっていて、ずいぶん奥深く針を飲んでいたのが分かった。
僕は手伝わずにコーヒーを淹れてふるまっていた。
捌き終わって料理が整ったのは夜中の3時のことだった。
結構な量の刺身が供給された。チヌは見た目ごついが、刺身になると美しい。ちょい生臭いのを除けば美味だった。塩もみすべきだったらしい。
カシラはメバルとともに煮つけに。頬、目の上がとにかくうまかった。
4時に解散、初の自前の道具だったので、ふろ場で水洗いし、寝た。
振り返り
KEEP
- あきらめない
- 悪ノリ
- ビールを自宅に貯蔵
- 同僚の奥様への配慮
PROBLEM
- 夜釣りの後買い物にいけるスーパーがなかった
- リールの扱いが悪いのかやたらとラインが絡まる
- メバルはほっといても針掛するらしいので、アワセなくてよいらしいが、把握していなかった
- ウキが大きく、アタリがわからなかった
- 安全対策が甘く、ヒヤリとするシーンがあった
- 翌日、キッチンが壮絶な生臭さ
TRY
- 買い出しのスーパーを、現地で探す
- ラインが絡まる原因を考える
- 事前にガイドをよく読んでおく
- 危険な事態に備えてホイッスルぐらいは持っておく
- 勧誘活動で4人メンバーをそろえる