ミネムラ珈琲ブログ

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『天才感染症』

ちょうど一ヶ月前ぐらいにゆきのくんから何の補足もなく、このタイトルだけがメッセージで送られてきたので買っていた。しばらくほったらかしていたが読んだ。

タイトルとは違って、今のコロナ流行の御時世だからよんで面白いというタイプのやつではない。ネタバレを慎重に避けつつ、冒頭からわかることだから言うと菌類がテーマで、人から人に感染するという性質ではないからだ。

だから読むべきではないという話ではなくて、今読んで面白さが増幅するものではないが、別にいつ読んでも面白かろうというところだった。どちらかというと政治性がある。個人のエゴと全体の利益、知性、そういうものについて思いを巡らすことは常にあって、いろいろと思うことはあった。

あと、SF(Science Fiction)と題される作品、たいてい未来問題というのがあるけど、『天才感染症』はSFという言葉の素朴な意味を教えてくれる感じがある。似たようなことを柞刈湯葉先生が短編集『人間たちの話』のあとがきで書いていたのを思い出させた

ネタバレを書くのは好きじゃないので、文脈抜きで面白かった一節だけを引用しておく。

ただし、アンドリューいわくロンシュタットは反スノーデンとでもいうべき思考の持ち主で〝たとえ母親を拷問されても、自分のミドルネームを明かさない〟ほど機密にこだわっているそうだ。

人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)

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