- 作者:遠野遥
- 発売日: 2020/07/04
- メディア: ペーパーバック
賞をとったものをとりあえず読んでみるという趣味はあんまりない。ただ最近は『文藝』を定期購読していたので、夏の号に掲載されているのに気付いて読んでみた。
自分の行動や感情を客観的・論理的に記述し続ける様子が滑稽なんだけど、なんとなくどっかで何度か聞いた脳科学のことを思い出す。
人間は五感から情報をインプットし、脳が情報を処理した結果最適な行動を決める。そしてそのアウトプットとして手や体を動かす。そういうふうに思われているけど実際にはそうじゃない。
脳がその動作をした時間と手を動かした時間を比較すると、実際には脳がそれらの論理を生み出す前に行動を取っている。脳は行動をとったあとに後付で納得できる理由を作っているだけなのだと。*1
『破局』の記述は全編においてそういう感じだなと理解していて、あらゆることに理由付けしなければいけない時代への疲れを感じた。
- 作者:遠野遥
- 発売日: 2020/07/04
- メディア: ペーパーバック