Clubhouseで雪野くんとやってる映画語り会のお題で見た。見てそうな気がするけど実は見てなかった作品。
自分の殻に閉じこもって友達の誘いも断り、家でレンタルビデオを見るばかりの生活の銀行員カールが、「何があってもイエス」という感じの自己啓発セミナーに連れていかれたことで人生が変わる話。
「イエス」が魔法の言葉になっていて、それを言い続ければ人生が好転するし、うっかり「ノー」といった時には主人公が極めて素早く痛い目を見る。そういうわかりやすいコメディなんだけど、この映画における魔法は「イエス」ではない、主演のジム・キャリーだ。
なにかって、セミナーに連れていかれるまでの20-30分がそれはもうまったくもってつまらない描写が続く。主人公カールは冴えない地味キャラだし、行動も陰気だ。しかしそれがさほど極端ってこともなくて、なんとなく自分の殻に閉じこもって家でビデオ見てるとか、別に映画でなくてもよくあるようなことだ。
それだっていうのにジム・キャリーだ。これをジム・キャリーがやるだけで、「ああ、これは映画なんだな」と襟を正す気分になる。銀行で地味な人間が融資の相談を断る地味なシーンなのになぜだか魅力的に見える。
これはジム・キャリーの魔法なんだと思う。「地味で冴えない中年が何らかの景気ではっちゃけていく」そういうストーリーにこれほどハマる人がいるのか。ハマるという次元ではなくて、ジム・キャリーでないとそういうストーリーを映画たらしめるのが難しいと思う。
Clubhouseでのお題もAmazonプライムかNetflixで見れるものなんだけど、映画がそういうサブスクリプションで見られる時代において、ジム・キャリーじゃなかったらこの映画は物語が始まる前に切られてしまうんじゃないか。そもそもサムネイルにジム・キャリーの顔がドンとなかったら見られもしないんじゃないか。
しかしそれにしても忍び込んだホールでマスクのセルフパロディをやったのはやりすぎだと思う。
来週もやってます。