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表計算の系譜。手書きからVisiCalc、Excel、Spreadsheets

いますごく感動している。たまたまFireTVでTEDが見たくなって、たまたま表計算ソフト誕生の話を見たからだ。(本当は恋愛を数学するの動画を見ようとしていた)

英語はしばらくやってないから雰囲気で見てるんだけど、序盤に大判の紙で手書きの表計算が書いてある写真とかがでてきてびっくりする。そもそもなんでデジタルな表計算が必要なんだっけ?手書きだと一箇所値を修正したら、計算全部やり直しで大変だよね*1、みたいないまだと当たり前みたいな話から始まるんだけど、そういうアナログなニーズの話からはじまっていて、どうやって解決しようか、変数を定義して計算式をかく?(それ普通のプログラミングだよな)それならどこにでも数字入力できて座標がわかる表にしちまえ、から最初の製品VisiCalcが出来上がるまで。これがなかったら今の俺の仕事はどうなっているんだろう。先人に感謝しかない。

その先人というのがスピーカーのダン・ブルックリンで、話をだらだら聞いてると突然DEC(Digital Equipment Corporation)の名前が出てくる。DECといえば闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達のことを思い出す。途中まで読んで忘れてしまったんだけど、元DECのマッチョなプログラマーたちが、Microsoftに招かれて、マイクロソフティ的な文化と馴染みきらないままハードな戦いを繰り広げてウィンドウズNTを作り上げる話だ。

それを思い出すと、じゃあDECで出来たものが闘うプログラマーの流れでMicrosoftに組み込まれて、Excelになったのかな、と勝手に先走って思ったんだけどそうじゃなかった。そもそも最初の表計算ソフトVisiCalcはAppleⅡのソフトとして発売されたのだった。

話はどんどんややこしくなる。僕は調べたこともないのにMicrosoft Excelがすべてのオリジナルで、NumbersやGoogle Spreadsheetsはそこからの派生物だと思っていた*2

そんなことでは良くないと思ったので、系譜を整備してみた。

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VisiCalcの発売と各社の開発競争、Lotus 1-2-3デファクトスタンダード

f:id:minemuracoffee:20170513152045p:plain (AppleⅡ上でのVisiCalc)

  • 79年、VisiCalcがリリース。これはAppleⅡの販売のなかでも重要なソフトウェアとなる
  • VisiCalcのリリース後、各社の表計算ソフト開発競争になる
  • SuperCalc、Multiplan(Microsoft)、Quattro Proなど
  • VisiCalcの開発は前述のダン・ブルックリンの会社Software Artsだが、販売はVisiCorp。wikipedia英語版をみると、この間のライセンス料率に関する記載があったり、英語版では見当たらない記述だがWikipedia日本語版には2社の間の裁判で開発が遅れたという記述がある
  • Lotus社のLotus 1-2-3がシェアを拡大し80年代から90年台初頭にかけてのデファクトスタンダードを獲得する
  • 85年にはVisiCalcの開発元であるSoftware ArtsをLotus社が買収する
  • Lotus 1-2-3IBM PCのシェア拡大にも大きく貢献した
  • 95年にはLotusはIBMに買収され子会社化される

ExcelLotus 1-2-3を抜くまで

  • MicrosoftはVisiCalc発売後の開発競争の中でMultiplanという製品名で表計算ソフトを開発したが、これはLotusに勝てなかった
  • Multiplanを前身としてMicrosoftは85年にExcelApple Ⅱ向け(!)にリリース。WindowsOS向けにリリースされるのは2年遅れた87年だった
  • Lotus 1-2-3Windows版に乗り遅れリリースは91年になる
  • 90年台にはWindowsでのOfficeシリーズとしてExcelがシェアを伸ばし、Lotus 1-2-3を抜いて現在のデファクトの地位となる
  • この間発展してきた特徴として、書式変更できるセル、印刷プレビュー、グラフ、セル結合などグラフィカルな要素*3、マクロ、ピボットテーブルなどなど。

~現在、WEBアプリケーション化

  • Numbersが2007年、特に過去の何かの流れを明示的に汲んでいるわけではない
  • 2006年、GoogleがSpreadsheetsをリリース
  • Excelも2010年にOffice Onlineで、WEBアプリケーションとしてのリリース

調べた感想

  • 系譜的なものを想像していたが、スピード感のある開発競争という感じで、何かを買収して何かになる、というよりは勝ち残ったものが吸収するみたいな雰囲気だった
  • OSのシェア競争と関わりが深く、いずれのソフトも各OSプラットフォームでの目玉だった
  • VisiCalcはApple Ⅱを、Lotus 1-2-3IBM PCのシェア拡大を後押しした
  • 逆に拡大していくOSに乗り遅れることが、表計算ソフト側のシェアの転機にもなっている
  • VisiCalcはIBMへの移植が遅れて廃れ、Lotus 1-2-3Windowsでの遅れとMicrosoftExcelに対する後押しでシェアを失った
  • 土曜日の昼間に何をやっているのか

Reference

*1:余談だけど、いまだに数式を検算する話は匿名ダイアリーであった

*2:最も僕はもうGoogleSpreadsheetsは新しい地平を切り開いていると思っているけれど

*3:このあたりはいわゆるExcel方眼紙を生み出した原因でもある