ミネムラ珈琲ブログ

AI画像Tシャツ屋/ITラノベ著者/さすらいのコーヒー屋/WEBサービス開発チームマネージャーの日記

『イムリ』読んだ、理想主義のリーダーと現実主義者のナンバーツーの奇跡的なバランス

26巻を一気読みした。あまりにも絶妙な群像劇だった。

イムリ 1 (ビームコミックス)

イムリ 1 (ビームコミックス)

物語の立ち上がりから展開、収束までとてもよかった(あまりネタバレしたくない)のだけど、個人的にはもはや物語が終わったかに見える最後の2巻がもっともよかった。

カーマにおける理想主義のリーダー(賢者)と現実主義のナンバーツー(呪大師)の動きはあまりにも絶妙。

賢者の語った理想も、呪大師の交渉や行動がなければ間違いなく破綻していたような脆いものだった。一方、理想がない状態で呪大師が現実的に妥当なことだけしていてどうなるかというのはこの物語の序盤がよく表してる。

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25巻以降の呪大師デュガロは凄まじい。理想なき世界では血も涙もないクズの権力者だったはずなのに、理想を語るリーダーが与えられたことで一気に世界を良い方向に推し進めていく。デュガロの人格の変遷とかがあったわけではなく、ただリーダーの理想の有無だけがある。

デュガロは徹底した現実主義者として行動する。賢者を諫めるがその理想を曲げるわけではなく、理想に現実的にたどり着く道を提案して行動している。現実的な落としどころを探るみたいな生ぬるい理想の矮小化もしない。

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イムリ』は全体のおもしろさも圧倒的だったし、個人的にはこの最後の2巻に仕事上の感銘を受けた。

イムリ 1 (ビームコミックス)

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