ザ・サークルの広告コピーはCTR至上主義で残念

仕事帰りに『ザ・サークル』を見てきた。

gaga.ne.jp

「いいね!」のために生きている。

とにかくこのキャッチコピーがダメだ、ということについて書いておきたい。ネタバレになるところになったら区切ります。

ネット広告は、SNS広告がでてきてからはエンゲージメント指標もあるわけだけど、基本的にはCTR*CVRの世界だ。コピーでLP引き込んで行動を起こさせる。

この例えは微妙かもしれない。が、映画館に足を運んでクリック、内容に満足してコンバージョンとする。はっきりいってコピーだけみてWEBサイトを全く見なかった僕が悪かった。

「いいね!」のために生きている。

このコピー、クリックを稼ぐという点では優秀だと思う。暗にインスタ映えのことを連想させていて、時流に乗っている感じがある。問題はコピーが影響をあたえるのはCTRだけじゃなくてCVRまでということだ。

コピーをクリックするとき、そこから抱いた期待をもとに中のコンテンツを見に行く。そしてその期待を基準値に満足して購買したりしなかったりする。同じ人が別のコピーをみてLPにたどり着いたとしたら、その人が購買するかは見たコピーによって異なる。

その点で言うとこのコピーは期待の与え方がひどい。このコピーだけ見せられたら抱く期待は「いいね!」を得ることの快感に溺れ、そこから崩壊していくような日常やSNSで展開するウソの日常と本物のギャップとかそういうところだろう。とかくそういう個人の内面の承認欲求の暴走のようなものがテーマなのだと期待させられる。

実際の所、この映画はそういう要素はない。主人公はSNSなんてものは当たり前の世界に生きていて、そこに対して過剰な承認欲求や見栄はない。SNSにうつす自分に嘘偽りもない。

むしろこの映画はGoogleFacebookを足したような企業が支配しようとするディストピアものだ。テーマはプライバシーと監視社会。そういうテーマだと期待を抱いてみれば、僕はこういうネガティブなブログを書いたりはしなかっただろう。

「いいね!」のために生きている。

このコピーは適切に興味を持つひとを誘導できず、また見る人に誤った期待を抱かせる。CTR至上主義、近視眼的なコピーだ。

もちろん映画なので入場料とればゴールと言う考え方もあるが、ソーシャルメディア企業を舞台にした映画でそれはないだろう。昭和の観光地の不味い飯屋じゃないんだから、観たひとを満足させて、そこから話題を産めるものにするべきだった。

まさか2週間で打ち切り前提で、最低限を稼ぎ切るためのコピー戦略なのだろうか。だとしたら悲しすぎる。