仕事帰りに『パンク侍』を見てきた。前提として原作ファンなのだ。
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PUNK SAMURAI パンク侍、斬られて候 CM 篇30秒 2018.07.07 綾野剛 豊川悦司 浅野忠信 北川景子
パンク侍は町田康作品では珍しいある種の群像劇、というのは違うか。なんと言ったらいいかわからないけど、多くの登場人物にそれぞれ個性が光り、その掛け合いの中で時代劇設定から現代風刺を差し込む。
例えば幕暮孫兵衛。背景で気絶するだけのモブキャラかと思いきや、下手なりに交渉役をつとめ、不安とストレスを爆発させ、腹をふり、腹をふり、おへど聖者となる。
あれ?原作ではそんなに目立つ役だっけ?交渉役もおへど聖者もおぼえていない。いま原作を確認したらたしかにそういう役のようだ。
これは演出の中で目立たされたのかもしれないが染谷 将太の演技は光っていた。狂ったいい目をしていた。素晴らしかった。
全体的に原作をしっかりなぞろうという意気込みは感じた。町田康的な文体を残そうと、セリフの口調も可能な限り残されていたように感じた。
そのあたりの原作愛がちょっとよくなかったかなーと思う。ファンはおおっとなるかもしれないけど、知らない人は突っかかって集中できなそう。なんだかんだで喋っているのを見ると不自然だ(デウスが思考しているシーンは妙に様になった)。
そしてどうしても時間が限られる。それぞれの登場人物の個性を活かしきるにはどうにも不十分で、エピソードを削っていたが、登場人物をもっと削るべきだったと思う。
殿の正論の鬼っぷりは、どうにも中途半端で道化にしかみえなかった。殿の人物導入で2,3分、幼少のエピソードを矢継ぎ早に差し込めば、もっと違って見えてきたのではないかと思う。
真鍋五千郎はひどかった。決闘シーン、必要だったろうか。んで『悪酔いプーさん、くだまいてポン』をやらないのか。せっかく映画なのだから、メルヘンで攻める真鍋を全力のCGでやるべきだった。
あの決闘シーンは表現が限られる舞台版のほうがよほど全力投球していた。舞台の限界を超えた表現をしていたと思う。
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あんな中途半端になるなら真鍋五千郎という人物自体を削ってストーリーを修正したほうがよかっただろう。
何を言っているかわからないと思うけど、原作を読んでほしい。
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