ミネムラ珈琲ブログ

さすらいのコーヒー屋/Spreadsheets小説家/WEBサービスディレクターの日記

ゾンビと日経新聞

定期的に日経新聞はゾンビを比喩にもってくる。今日だってそうだ*1

www.nikkei.com

ゾンビ企業、ゾンビ金融、ゾンビ社員、いい加減にしてくれ。「お?ゾンビ映画?」と一瞬ココロときめかせて失望させるのはやめてくれ。

ムカつくので調べた。日経新聞でのゾンビの検索

f:id:minemuracoffee:20190619084949p:plain 元データ

集計するとこの様になる。

f:id:minemuracoffee:20190619084257p:plain 元データ

  • 毎月5本前後の比喩ゾンビ記事がある
  • 5月はカンヌでちゃんとしたゾンビの話題だった
  • 寄生ゾンビはナショジオの寄生生物が宿主をコントロールする場合の用法

2月から増えているようにみえてしまうが、実際には手前の12月はもっと多いがカウントしていないだけ。カッとなって昼休みに拾ったので許して。

しかし2月の記事には良い示唆がある。

産業間の資源再配分の効果については、例えば深尾京司・アジア経済研究所長(一橋大教授)は、2000年代の日本で産業間の資源再配分効果が大きなマイナスだったという結果を報告している。星岳雄・米スタンフォード大教授などの「ゾンビ企業」に関する研究は、90年代以降の日本で、企業の新陳代謝の遅れが企業間の資源配分の変化による生産性上昇を停滞させていることを示唆している。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO40861010U9A200C1KE8000/

経済産業研究所の星 岳雄プロフィールを見ると以下の著作があるのがわかる。

「ゾンビの経済学」岩本靖・太田誠・二神孝一・松井彰彦編『現代経済学の潮流2006』2006年。

どうもこのあたりに端を発して「ゾンビ企業」という言葉が普及したのではないか。

何が日本の経済成長を止めたのか―再生への処方箋

何が日本の経済成長を止めたのか―再生への処方箋

そうやっておちついてリストを眺めると、日経新聞のゾンビの使い方は理解できる。

数年にわたって債務の利払いすらままならず経営が破綻状態にあるのに、銀行や政府などの支援によって存続し続けているような企業を指す。

ゾンビ企業とは 破綻状態「追い貸し」で延命 :日本経済新聞

正確にこのことばの説明にしたがっているわけではないものの銀行や政府などの支援によって存続し続けているような 、という点については一貫しているように見える。

この半年で出現率の高い話題としてはジャパンディスプレイ(JDI)と中国企業、どちらもみたところ正しい用法のようだ。

ちなみに文脈が微妙なのもあるが、これはマネー研究所。■無責任が横行、日本全体がゾンビ化というすごい見出しがでてくる。

style.nikkei.com

謝罪しないといけない事項として、ゾンビ企業とは無関係なゾンビ社員という言葉は日経新聞を検索してもでてこなかった。

ゾンビ企業という用語を正確に認識したので今後は冷静に日経新聞にあらわれるゾンビに反応できる気がする。

ゾンビ経済学―死に損ないの5つの経済思想

ゾンビ経済学―死に損ないの5つの経済思想

ところで調べている途中にこの本が出てきて、面白そうだったので今度探して読んでみたい。

かつて一世を風靡し、政策にまで影響を及ぼした経済理論は、本当に正しかったのか?本書はこう答える―「経済学では、既に破綻した思想や理論が、破綻したあとも、ゾンビのごとく復活し、幅をきかせているのだ」と

*1:この記事は昨日書きかけた