スマートニュースのオウンドメディアの記事を読んで、「エクセルの鬼」熊野さんの話がむちゃくちゃ面白かったので本を買ってみた。
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術???数字力が一気に高まる基本スキル
- 作者: 熊野整
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
これはExcel本としてはかなり特殊な本だ。一切関数がでてこない。筆者が投資銀行で叩き込まれた正しく、そして見やすいExcelの作り方について解説されている。
見やすいExcelとはなんなのか、具体例としては以下のような表があったとする。
これをこのように整える。
いろいろなポイントがある。それぞれのポイントの詳細、そしてそれになんの意味があるのかということは本を読んで欲しい。kindle版もある。買いましょう。
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術???数字力が一気に高まる基本スキル
- 作者: 熊野整
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
一方で本書の手順がそのままGoogleSpreadsheetsでは使えない。僕なりにやってみたGoogleSpreadsheets版見やすいシートの作り方についてここではメモしておく。
GoogleSpreadsheetsでは気にしなくていいこと。
- 使わないシートを削除しなくていい。Excelでは新規ファイルを作った際にSheet1、Sheet2、Sheet3の3つのシートが作られる。GoogleSpreadsheetsではそもそも初期にシートは一つしか作られないため、この点をケアする必要はない。
- 行サイズを広げなくていい。本書ではExcel標準の行サイズ13.5から18に広げることが推奨している。GoogleSpreadsheetsでは標準で適度な行間が確保されているため、この点も気にしなくて良い。
GoogleSpreadsheetsの場合に手順が異なること。
- インデント列の幅として1が紹介されているが、ExcelとGoogleSpreadsheetsでは単位が異なる。10ぐらいを指定しておくと良いだろう(好みで変えてもいいが覚えやすい)。
- デフォルトのグリッド線を消す方法として「表の背景色を白にする」と紹介されているがこの設定はGoogleSpreadsheetsにはない。ただし回り道をしなくても、表示>グリッド線のチェックを外せばこの点は実現できる。
本書では記述されていないが個人的におすすめしたいこともある。
- 使わないセルは消しておく。Excelが印刷で共有されることがまだ多いのと違い、GoogleSpreadsheetsはWEBで共有される。見えていない部分にもなにか記載がないか迷わなくて良いように配慮しておいたほうがいい。
以上がGoogleSpreadsheetsでみやすいExcelを実現する方法だ。ぼくはこれまでこういった作法についてだれかから教わったりする機会がなかったので非常に勉強になった。今後のSpreadsheetsライフに取り入れていきたい。
一方でこの本には関数の話が全く出てこない。ミスなく、また誰にでもわかる資料のために複雑な関数やその組み合わせを避けるべき、という考え方も紹介されている。ここはぼくはうなずけないところだ。この点についてはそもそもExcel/GoogleSpreadsheetsを使ってやろうとしていることの違いだろう。
読んでいて感じたのは、投資銀行で筆者の熊野さんが作っていくExcelというのは、顧客との打ち合わせをゴールにした静的な資料だ。
一方でぼくが志向しているのは常にデータが更新されていく動的なツールだ。動的なツールとして可能な限りメンテナンスフリーに動き続けて欲しい。だからIMPORTHTMLのような誰もが知っているとは限らない関数も使うし、ARRAYFORMULAをこねくり回して複雑な関数式も組む。それはその後データの更新、月替りなどに伴って、煩雑な更新作業やそれにともなう数式の崩れなどを生まないためにやっている。
そういうふうに勝手に思っている。というか実は今週筆者の熊野さんにお会いしてそういう話をした。
財務で5年単位の戦略の話などをしていると、基本的にはスナップショットから資料を作成することになり、1日単位のデータの追加が影響を及ぼすようなことはないということだった。
ぼくのようなWEBサービスの企画をやっていたり、WEB広告に携わっていたりするような人だと勝手が異なることもあるだろう。その点を踏まえつつ、見せ方の作法として非常に勉強になるのでぜひ読んで欲しい。
引き合わせてランチに招いていただいた元はてな同僚@minesweeper96さん、お忙しいところ時間をとっていただいた熊野さんありがとうございました!!
連絡取ってみると、スマキューの記事のブコメをみて気になっていて、@minesweeper96さんからぼくが書いている転生したらSpreadsheetだった件のことを聞いたりしていてもらえたとのことだった。非常に嬉しい。
ちなみに本ではところどころで熊野さんの異常性が垣間見えて面白い。今日も颯爽とランチに登場した熊野さんはなぜかでかいキーボードを持っていた。ネタなのかと思ったが「次の時間会議なので(なぜ会議にキーボードを持っていく必要があるんだ???)」と素で言っていてむちゃくちゃ面白かった。キーボードのF1キーがマジで外してあったのもおもしろかった。
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術???数字力が一気に高まる基本スキル
- 作者: 熊野整
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
PR:転スプは最近完結しました。