唐突にといったものの、実際にはそんなに唐突ってこともない。風呂に入る前の30分ほどの手持ち無沙汰でなんとなくid:INVADEDを2週目見て、それから風呂に浸かっていると、なんかこう勢いのある文章に浸りたい気分になってきて、今に至っている。
舞城王太郎はたしか大学のころぐらいにそこそこに読んでいたんだけど、そのころはKindleもなかったから紙で買っていたし、一部の短編集を除いて本棚からは散逸してしまった。原点の『煙か土か食い物』のような気もしたんだけど、もうちょっとポップさもほしい気がしたので『ディスコ探偵水曜日』をさっとKindleで買った。
固定レイアウトしかないのかと落胆したけど、まぁ舞城だからKindleのフォーマットに合わせられないのは理解できるなと思ってiPadで読み始めた。開いた感じ、文章のノリは期待通りなんだけど、そういえばこれ読んだことなかったんだっけ?たしかに買った記憶はない。読んだ感じは新鮮で、内容もさっぱりなのでおそらくは初見なのだろう。
そうおもって2時間ほど読んでいて、子供にミルクをやりながら考えていたんだけど、やっぱり読んだことがある気がしてきた。話の概要のレベルは溶けてしまったんだけど、上巻の中盤ぐらいまで読んでいると判然としなかったものが判然としてきて、既視感がむくむくとやってくる。
確固たることはいえないが、たぶん雑司が谷に住んでいたとき。池袋にある豊島区の図書館は控えめに言ってサイコーでたしかアウルスポットみたいな名前の劇場の下にあった記憶。当時の家から歩いていくことができたし、蔵書数も非常に良かった。なんなら本だけじゃなくてCDもかなり充実していて、ドカッと借りてはiTunesに取り込んでいたような気がする。結局それらは失われる運命にあるのだが、仕方ないことだ。落語のCDも充実していて、N代目ごとにラベルがあったりしたような。
それはそれとしてその図書館に当時は目についた本を躊躇なく買える感じでもなかったのでよくお世話になっていた。おそらくだがそこで借りて読んだのではないか。嘘かもしれない。今となっては確かめるすべもない。厳密には記録は残っているだろうが、藪をつついて返していない本の記録とかが発覚したらつらい。
もう少し読み進めて寝よう。