先週末、YAPC::Kyoto 2023の運営にボランティアスタッフとして参加していた。
ここ最近はブログもまともに書けておらず、たまに書いたと思えば忙しい忙しいとバカの一つ覚えみたいに言っている中でボランティアとはいえ週末をまるまる潰すののは大丈夫なのか。1日経った今現在の心境としてはやはりダメだったなというのが客観的な感想ではある。
しかしそんな愚行でもやらないといけないなというそこそこ強い気持ちがあったので、ええいとボランティアの申込みをし、「定員充足につきまして、お気持ちだけ受け取らせていただきたく…」という連絡がきたらそれはそれでホッとするんだよなとか思いながらもやはりそのようなことはなく、「ぜひお願いします」ってことになってしまうわけでハラをくくって参加した。
やらねばならないなと思う理由は2つある。
それにあたって前提としてぼくのことを知らない人に対してぼくの立場を説明しておかないといけない。
その上でひとつはPerlという言語そのものに、自分ができる形でなにか恩返しをしておきたいなということ。所属している株式会社はてなはPerlのプロダクトが多いし、今も自分のチームの担当サービスはPerlで動いている。乱暴に言えばPerlに食わしてもらってると言えるわけで少しぐらいは恩返ししたほうがいいんじゃないかということを思っていた。
しかし、それだけで参加したかというと、参加しなかったと思う。
ところで, 昨今Perlを取り巻く環境は, はっきり言って明るいものではないです. Perlで開発しているサービスをGoやその他の言語で置き換える... という判断をした会社やプロダクトの話はインターネットを見ていると枚挙にいとまがありません.
YAPC::Kyoto 2023実行副委員長のid:papixさんが書いているこの状況は自分の仕事にもあてはまっている。そのあたりは前にチームでセミナーをやったときにも触れられていることだ。
ぼくは人間以外にはドライで冷酷な対応をしていいと思っているので、お世話になったとはいえこれからお付き合いが減っていくものに果たしてなにかを払う必要があるのかとは思ってしまう。一応言っておくと人間以外というのはネコとかピザとかのことではなくて、株式会社とか国家とか感情のないやつのことを念頭に置いている*1。
Perlという言語にも感情はないわけで、食わしてもらってっきた恩はあっても、今後薄れる付き合いなら割り切ったお付き合いをしてもよい。それは良いんだけど、Perlの裏にはそれを作った人や使っている人がいて、その人たちに少しでも貢献したいとは思っていた。
コアスタッフのid:anatofuzさんとはもう2年同じチームで仕事をしてきているし、最近はid:kfly8さんとも仕事をしている。毎日顔を合わせて*2いる2人がやっている活動に対して、何かしら手伝えれば良いなと思っていた。
チームの2人だけじゃない。他にもコアスタッフに知り合いが多い。ぼくが本を出したり店を出したりしているときに応援してくれた人たちがイベントを頑張ってやろうというときに、「ぼく、Perl書かんし」とか言えんなという想いもある。
というかスタッフだけではない。参加者には同僚やかつての同僚も多い。彼らや彼らの知人が楽しく過ごせるよう、少しでも貢献できるなら良いことだ。
そういうわけで客観的には完全に愚行だよなぁと思いながらも、日曜日の朝6時前に起床し朝から晩まで普段の仕事とはまったく毛色の違う仕事をしてきた。
肉体的にはそこそこきつかった。
まず朝が早い。本当に早い。目覚ましで子どもを起こさないように、しかし自分は絶対に起きねばならない、そういう緊張感をもっていたら中途半端に4時ぐらいに目覚めてしまったりする。いまだもってこの眠気を引きずっている。
あとはわりと動き回る役回りだったことと、会場の動線がそこそこ複雑だったこともあってめちゃくちゃきついってことはないが腕や足にちょっと疲労が残っている。
精神的にははっきりいって楽だった。消耗するどころか回復した。
日頃意思決定したりシビア目な問題と向き合ったりするマネージャー業をやっているので、目の前の仕事が一段落したときに「次、何したらいいですか」って指示を仰ぎに行くのはもはや快感に近い。そんなこと聞いちゃっていいの???本当に???????シビア目な問題が起きたときも「こういう状況なので判断お願いします」で良い。え!?自分で考えなくていいんですか???????????脳がバグって逆に意思決定リソース*3が回復した。
そんな仕事でもあったが、役得でトークもいくらか聞くことができた。ちょくちょく会場のオンライン配信を見ながらうだうだと語る裏トーク部屋のスタッフをやっていたので、そこでいろいろな部屋のトークを解説付きで見ることができたりした。DeNAのCTO小林 篤(nekokak)さんのトークは本当にシビれた。
あとは会場内のスポンサーブースの受付ポジションでもあったので、やってきた知り合いと久々にしゃべることもできたし、スポンサーブースをまわったりもできた。
#yapcjapan でひいたカヤックおみくじ
— ミネムラコーヒー (@minemura_coffee) 2023年3月19日
これ引いてなんだこりゃーって言ったけどそのままブースに忘れてなくしてしまい、「ごめんなさい」「じゃあもっかいやりましょう」ってまたundefでした pic.twitter.com/uPxoTWvGGX
このような異常な運勢を見せたりもしていた。
そんな感じで楽しく仕事をしていたのだが、終盤になってid:kfly8さんが気を遣ってくれて、id:onishiさんのキーノートぐらいは聞いてきてくださいよと言ってくれた。
めちゃくちゃ感動した。してしまった。
感動…。大西さんがいるから、はてなで頑張ろうと思ってやってる。 https://t.co/LsctT4Fylx
— ミネムラコーヒー (@minemura_coffee) 2023年3月19日
このキーノートふくめて、YAPCはすごくエモいというかあたたかみがあるなと思った。え、カンファレンスってこんなだっけと思ったぐらい。昔にデータ系のやつとか、あと近しい雰囲気だとPyConに出たりしたことがあったのだけど、こんなかんじだっけと思ってしまった。2回言ってしまった。古い記憶だし関係性も違うんだけど、コミュニティに育てられた自分とそれに報いたいという話が各所で話されていたのはびっくりした。id:anatofuzさんがたまにPerlはなんかあたたかみがあるみたいなことを言っているのが少しわかった気になった。
ぼくはこれまでPerlは全く書いていないし*4、これからも書くことはないだろう。しかしPerlを愛するひとたちには今回のような機会があれば、少しでも貢献していきたいなと思う。
なお、当日のトークは一部を除いてYoutubeで配信される予定なので、ぜひYAPCのブログやTwitterをフォローしておくと良いと思いますし、Perlを書く人も書かない人も、次のYAPC(Hiroshima???)にはぜひなんらかの形で参加してみるのをオススメします。
最後に完全な余談だけど、実行委員長のid:azumakuniyukiさんに事前のオンラインミーティングで会った際に「もしかしてネコTシャツの人ですか?」とウザ絡みをしてしまった。申し訳ないと思いつつ、Tシャツ好きというのは閾値を超えたいいTシャツを見ると見知らぬ人にでも声をかけてどこで買ったのかを聞いてしまうようなところがある。前日準備の際には、ぼくもタイで買ったネコTシャツで揃えていって、id:azumakuniyukiさんから「めっちゃいいですね、どこで買ったんですか」と聞いてもらえたので大満足だった。