出張の新幹線で読んだ。正確には7割がた読んだところでやっていられなくなってやめた。おもしろくないわけではない。ぼくはこういうのをみていられないのだ。
小暮さんちのおいしいカタチ 今日からパパが主夫になります (富士見L文庫)
- 作者: 新樫樹,くじょう
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/12/15
- メディア: 文庫
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定型句で表現するならばこの状態になる。
昼ご飯食べて、旦那の布団(ほんのり旦那の香りつき)に寝っ転がって、旦..b.hatena.ne.jp
- [変なブコメ]
おああーーーっ。あーっ。いけない。いけないやつだこれ。あーいけない。すごい幸せオーラ。光属性。弱点突かれてる。んんっ。死ぬ。死ぬわこれ。ああーっ。もうあかんか。あかんな。闇属性やっぱあかんな。ああーっ
2017/05/23 15:23
カップル、夫婦の物語は楽しむことができる。その幸せも苦労も知っている。それがなくなったあとに残るものが美しい思い出でも憎悪でもなくて無感情だということも知っている。
しかし子供を中心とした家族のハートフルな描写となると話が変わってくる。それはどこかで道を違えた別の自分を思うからだろうか。いつ間違えた?ここ数年のことじゃない。10年前、一人で飲み歩くような習慣をつくってからだろうか。わからない。そんなIFもANOTHERも存在し得ない気がする。そもそも酒を飲みはじめる前から自分という人間にはまるでそういう人生が向いていないように感じる。欠落からではなくむしろ充足によってそれを感じている。京都に戻ってきてからの享楽的な生活が自分らしく、極めて満ち足りた生活だと感じている。それはもうひどく満ち足りていてそういった自分のアナザーストーリーがないものに思えるほどだ。『小暮さんちのおいしいカタチ』が描く子どもを中心とした温かい物語はそういうぼくに「本当にそうなのか、お前の感情は、幸福は、充足は本物なのか?」そう執拗に、ドラマの取調室の刑事のように問いかけてくるように思える。勘弁してくれよ、疲れてしまって読んでられない。ぼくはその本を閉じ、Kindleでニンジャスレイヤーを読みはじめる。
- 作者: ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼズ,わらいなく,本兌有,杉ライカ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2013/06/29
- メディア: 単行本
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血と暴力とサツバツに満たされた文字の羅列を見ながらビールを飲んでいるとなぜだか心の平安が取り戻されてくる。物語の中でバリキドリンク中毒の労働者、常にケジメとセプクの恐怖に怯えながら生きる勝ち組サラリマンをみて、新幹線でビール片手のぼくとなにがちがうのだろうとふと思ったが、自分の満ち足りた生活を振り返ってそれを否定する。
これが本の感想なのかは疑わしいが、そういう温かい家族の物語が読みたい人は読んだらいいと思う。
小暮さんちのおいしいカタチ 今日からパパが主夫になります (富士見L文庫)
- 作者: 新樫樹,くじょう
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/12/15
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