ぼくは映画を観たり本を読んだりする際、あまり子どものことを考えない。家族がテーマのストーリーでもそうで、どちらかというと生活を忘れて物語に没頭するタイプだ。
しかし『魯肉飯のさえずり』はさすがに子どものことを考えずにはいられない小説だった。

- 作者:温 又柔
- 発売日: 2020/08/20
- メディア: 単行本
日本で生まれ育った日台ハーフの子どもが主人公というそれだけの共通点が理由だが、疎ましさとなつかしさが交錯する自分のルーツへの感情みたいなものに、自分の子どもが今後どうむきあっていくのかは気になるところではある。